ブラシレスモータ:ホールモータの駆動技術

2021年12月30日

Posted by christopher at 15:31Comments(0)
ホールモータの仕組み
ブラシ付きモータは、コミュテータとロータは一体構造であり 自動的に電気通電位相が機械的に切替え制御されるので ロータ(巻線コイル)位置がどこにあるかを気にする必要はありません。 しかし、ブラシレスモータの場合は、 ステータ(巻線コイル)とロータ(永久磁石)は非接触でありロータ位置がわかりません。 また、正確にステータとロータとの適正磁束関係になるタイミングで位相通電を行わないと 適切なトルクが得られませんし、最悪モータは回りません。

そこで、様々な方法でロータ位置を検出する仕組みが考案されてきましたが、 現在、最も普及しているものが、磁気センサであるホールセンサを取り付けて 電気的にロータの永久磁石のS/N極の正確な位置を検出する仕組みです。 これをホールモータと呼んでいます。

モータへのホールセンサの取り付け

ホールセンサ信号は、1回転360度(電気角)内で 60度毎に0か1の符号でロータの正確な位置(磁極)信号が得られます。

このホール信号のタイミングに合わせて、 ドライブ回路からコイル通電制御を行えば、適切な同期位相制御が出来ます。

ホールセンサ
ホールセンサは、ホール効果を利用し磁気を検出し電気信号に変換する素子です。

ホール素子の構造
ホール素子は、半導体で磁気反応薄膜固体を形成します。 DC電源をV+~V-端子間にバイアスしておき、 薄膜固体表面に対し垂直方向に磁界を与えた時に、 ローレンツ力を受けた薄膜中を流れる電荷の経路が変化して生じる電位差(=ホール効果)を利用したものです。 VH+、VH-端子間の電位差を測定することで電気的に磁束信号が得られます。

ホール素子の物理式 磁界を与えた場合のホール電圧は、次式で表されます。

VH+~VH-端子間差電位差(V) = KμVCB+Vo
K: 比例定数
RH: ホール係数(1/e/n: n=キャリア濃度、e:電荷量)
d: 薄膜厚
Vc: 電源(バイアス)電圧
B: 印加磁束密度
μ: キャリア移動度
Vo: 不均衡電圧
ホール素子の特性
ホール素子のホール出力電圧と磁束密度の関係を示します。 InSbホール素子は磁場に対する感度が高い性質があります。 GaAsホール素子は感度が低いですが、磁気変化に対する直線性に優れます。

ホールセンサの種類
構造材料の違いや回路構成により3種類あり、その特長を述べます。

①InSbタイプホール素子
InSb(インジウム・アンチモン)で薄膜形成した高感度なホール素子です。 感度が高いため、素子面積を小さくして比較的小型な素子が作れます。
②GaAsタイプホール素子
GaAs(ガリウム・ヒ素)で薄膜形成しした素子です。 InSbに比べ感度は低いのですが、 磁気変化に対してホール電圧の直線性に優れます。 動作温度範囲が広く(-40℃~125℃)、周囲温度に対しホール電圧のドリフト量が小さいのも特長です。
③ホールIC
ホールICとはホール素子と信号変換回路を1つのパッケージに組み込んだ磁気センサです。 最もシンプルな構成は、ホール素子と差動コンパレータで構成されており、 ノイズの影響を受けやすい弱い微弱なホール信号の処理をIC内部で行います。 外付け部品が不要になる上、 ノイズの少ない安定した0or1のデジタル信号が簡単に得られるので使い易いセンサです。

ホールモータ120度通電回路の構成
下記にホールIC出力とモータ各相コイルの通電電流波形を示します。 「6ステップ区間の繰り返し」パターンで位相が進んでいくことがわかります。

通電位相角の違い
3相ブラシレスモータの位相通電方法としては、 120度位相差による矩形波通電法と180度位相差による正弦波通電法があります。

矩形波通電と正弦波通電の特長を述べます。

①120度矩形波通電
元々、120度通電は、DCブラシ付きモータのブラシの役割を スイッチ素子の位相タイミング制御に置き換える発想で考えられました。
磁束磁石が1回転(360度)する期間を6つの区間に細分化し それぞれの区間で最もトルクが発生する2相のコイルに通電(残り1相は無通電)することになります。 回路構成は比較的シンプルで良いのですが、 通電するコイルと通電しないコイルが60度ごとにダイナミックに切り替わるので 切替えの瞬間にショックが大きくトルクリップルが大きくなり振動を生じる欠点があります。
②180度正弦波通電
正弦波駆動は、3相コイルへそれぞれ電流を滑らかに分配することで 磁石磁束がどの位置にあっても、常に一定トルクを発生させる損失の少ない駆動方法です。 120度通電に比べトルクリップルを低減し回転子への振動を抑制できますが、 制御は複雑になります。
高性能制御化にはモータコイル電流検出/制御も重要
モータを精度良く、効率良く制御するには、モータコイル電流を計測し サーボ制御系コントローラへフィードバックする必要があります。

電流制御の具体的な目的を下記に挙げます。

①より高性能な制御を行うため
負荷変動などの外乱要因の過渡現象に対し安定して応答性良く、 高効率で運転するには、精度の良い電流計測によるトルク制御が必要です。
②過負荷保護機能のため
過負荷による過大電流などによる故障保護の目的です。
一般的に下記の回路の様なシャント抵抗を用いて各相コイルの電流を検出し 制御器にフィードバックする方法を取ります。

回転数/トルクの制御
ブラシレスモータは、DCブラシモータと同じく モータコイルに流す電流量を制御することでモータの回転速度(トルク)を制御できます。

シンプルな120度通電での電流量の増減は、 ドライブ回路のHi-side側をPWMスイッチングし、 PWMデューディを制御することでモータ速度(トルク)の制御が可能になります。

180度正弦波通電では、ドライブ回路のHi-sideと対になる Lo-sideの同期整流PWM制御が必要になります。 従って、120度矩形波制御回路よりも複雑になり、 より高速な処理能力が必要です。

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産業用ロボットの特長

2021年12月23日

Posted by christopher at 16:10Comments(0)
画像センサシステムをOneソフトウェアにより高性能をより手軽に

オムロンの産業用ロボットは、高精度なビジョンセンサ技術を活用し、画像センサと作業が高いレベルで連携できます。さらに専用のアプリケーション「ACE Sight」により、ロボットと連携したカメラが“見たもの”をどのように処理するか、自在かつ簡単に設定可能。カメラ、画像センサシステム、ロボットを個別に導入するよりも、ソフトウェア開発、設定工数を大幅に削減、スムーズなライン立ち上げが可能です。

“目を持つロボットシステム”だから、人の作業の代替も容易

オムロンの産業用ロボットは、カメラが撮影する画像を認識、判別して動作します。たとえばパーツフィーダ「AnyFeeder」から補給されるバラ積みパーツのピックアップ作業では、人と同様にパーツの種類を見分けるだけでなく、ピックアップ後の整列、組み付けなど、種類に応じた適切な処理も行います。またこうした作業の設定からフィーダの動作までのプログラミングは、専用のアプリケーション「ACE」のウィザード機能を使いスムーズに実現できます。これまで汎用パーツフィーダが送り込むパーツを人の手でピックアップしていた現場でも、ラインに大きな変化を加えることなく導入し、生産性向上をもたらします。

製造現場すべてを「ロボット統合コントローラ」が一括制御

オムロンはFAのリーディングカンパニーとして、日本のさまざまな製造現場で経験と実績を積んできました。そのオムロンだからこそ、PLC、サーボシステム、各種センサ、セーフティ機器など、産業用ロボットにかかわるあらゆる機器及び、アプリケーションやシミュレータ、ライブラリなどソフトウエアがワンストップで供給可能です。
これらロボット本体、周辺機器、アプリケーションの連携により、これまで人にしかできなかった複雑な作業を高度に自動化する「制御の統合」、さらにリアル/バーチャルでの正確なシミュレーション技術でシステム構築からメンテナンスまでを効率化する「構築プロセスの統合」を、「ロボット統合コントローラ」が実現。複数機器の同時制御、情報の連携、設備情報の見える化により、製造現場の変革を実現します。

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溶接ロボットのメリット

2021年12月18日

Posted by christopher at 15:17Comments(0)
溶接ロボットとは、溶接機を搭載したロボットです。
一般的に流通しているものは、垂直多関節ロボットが主流です。

みなさんのご想像の通り、人の手を借りず、プログラム通りの動きを再現することができます。

従来の溶接作業は、高度な技術が要求されていたため、自動化はとても革新的といえ、
各ロボットメーカーが複数の機種を製造していて様々な作業に対応することができます。

ロボットシステムの中に溶接機が必要となること以外は、
基本的には、一般的な垂直多関節の導入と同様で、
ティーチングを行うことでロボットの動作プログラムを設定することができます。

そんな溶接ロボットを導入することにより、以下のようなメリットが得られます。

品質の平準化
生産性の向上
危険作業からの解放
人手不足の解消
他の作業工程を自動化する際に得られるメリットと同一です。
しかし、溶接作業では、必ずといっていいほど危険と隣り合わせです。

アーク溶接では、肉眼で直接見てはいけない“アーク光”が発生したり、
スポット溶接では、高圧で母材を押さえ、大電流を流す必要があります。

更には溶接によって人体に対して、有害物質を発生させてしまうこともあります。

そんな危険作業から解放できるのは非常に大きなメリットといえます。

また、手作業の溶接の品質を平準化させるのは非常に困難です。
木を接合させる際、毎回決まって同じ量の木工用ボンドを使い、
組み立てるのは難しいですよね。

自動化では、高品質を維持し続けることができ、同時に生産性を向上することができます。

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ロボットビジョンのメリット

2021年12月13日

Posted by christopher at 15:43Comments(0)
ロボットビジョンの導入にはコスト的なデメリットはありますが、それ以上にメリットのほうが大きくあります。
メリットとしては、下記が挙げられます。

雑然と積んでも、混載の製品でも認識する
1ロボットで多品種の取り扱いが可能
段取りにかかるティーチング作業が不要
同一ロボットで複数の作業を同時にこなすことができるため、ロボットビジョン搭載の現場には人の工数だけでなく24時間フルで稼働させてもミスなく作業し続ける事ができます。
そのため、導入のデメリットはあまりないように思えます。

従来のロボットラインのように製品切替時に段取りが要らない事は、人手不足の生産現場や、ピッキング工場にとってプラスなのではないでしょうか?

しかし、一概にすべての業務でロボットビジョンを導入すればいいという簡単なことではありません。

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ロボット技術の歴史

2021年12月06日

Posted by christopher at 15:41Comments(0)
(1)ロボット技術の歴史と市場や環境への与えた影響
ロボットの起源は、オートマタやからくり人形のような歯車を動力とした単純な機構でした。現在のロボットは、電力源を用いて電動モータやギアを動かし、制御には電子回路が用いられ、複雑さを増しています。ロボットの要素技術向上により、工場で使用される産業用ロボットなど、人の作業を代替する存在となって工業分野での市場拡大が進みました。

2000年以降は、人とのコミュニケーションができるサービスロボットなどが開発され、掃除や受付などを支援するロボットが普及され始め、サービス業界の市場が拡大しています。AI技術の進展もあり、ロボットが自己学習をしながら人の生活全般を支援するような試みも進められています。

(2)政府や関係機関の公的支援プロジェクト
日本では、ロボット技術の開発・普及を促進するために、1970年代から公的な支援プロジェクトが複数立ち上げられました。ここでは、代表的なロボット技術支援プロジェクトについて紹介します。

①経済産業省の支援プロジェクト
経済産業省は、2019年までに22のロボット技術開発の国家プロジェクトを立ち上げており、省庁の中で最多となっています。1971年の「パターン情報処理システムの研究開発」が最初の支援プロジェクトであり、2015年には「次世代ロボット中核技術開発」や「ロボット活用型市場化適用技術開発」の2つの支援プロジェクトを開始しました。
ロボットの実用化はもちろん、東日本大震災などの災害時に活用できるロボットの開発支援なども積極的に行ってきました。

②内閣府の支援プロジェクト
内閣府では、2009年の「最先端研究開発支援プログラム(FIRST)」を皮切りに、基礎研究だけでなく実用化も視野に入れた最先端技術を生み出すために、3つのプロジェクトが立ち上げられています。

③文部科学省の支援プロジェクト
文部科学省では、5つのプロジェクトが実施されています。2012年からの「大学発新産業創出拠点プロジェクト(START)」や、2015年からの「ロボティクス・スタートアップ挑戦人材応援プロジェクト」など、2020年時点でも進行している公的支援プロジェクトが3つあります。

④NEDOの支援プロジェクト
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2019年までで17のロボット技術開発プロジェクトが実施されており、主に産業や生活支援向けのロボット開発を行っています。プロジェクトでは、建設機器などの実用化はもちろん、ヒューマノイドの開発なども果たしています。

(3)SIerはロボット技術発展にどんな寄与をしてきたか
製造現場における産業用ロボット導入における工程自動化には、工場の目的に合わせてシステムを構築するシステムインテグレータ(SIer)が必要となります。

産業用ロボットは半完結製品とも呼ばれており、単体で製品を完成させるような産業用機械ではないため、システムインテグレーション(SI)が不可欠なのです。製造業では、各社によって造るモノも違えば、許容コストも違うため、SIerはユーザーの要望を汲み取りながら、最低限のコストでも安定稼働できるような自動生産システムの構築を目標としています。産業用ロボットの製造・供給メーカと、使用するエンドユーザの間に立つSIerは、工場の生産工程の効率化に大きく寄与してきたのです。

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機械加工と3Dプリンタの使い分け

2021年12月01日

Posted by christopher at 15:25Comments(0)
開発プロセスに3Dプリンタを取り入れるためには、3DCADが必要です。
そして、導入した3DCADの効果を最大限に発揮させるためには、3DCADで作った3Dデータをいかに有効活用できるかにかかっています。せっかく、3DCADを導入しても設計部門のみで活用していては、その効果が限定されてしまいます。
3Dデータを有効に活用するには、顧客や社内向けのプレゼンで活用したり、CAE解析や金型設計データと連携させたり、組み立て手順書、カタログなど各種ドキュメント製作に活用したりと、全社的に幅広く使い回すことです。

また、3Dデータを活用して、同時並行で開発を進める「コンカレントエンジニアリング」と呼ばれる開発手法を取り入れる企業も出てきています。このように、3DCADは、従来の2Dベースの開発と異なり、使い方次第で開発効率を高めることができます。

フロントローディング設計
近年、商品の市場投入までの厳しいリードタイム短縮が求められる商品開発環境において、3DCADを活用したフロントローディングの考え方が従来にも増して重要視されています。
フロントローディングとは、設計初期(フロント)に負荷をかける(ローディング)という意味で、設計の初期工程で設計品質を高める活動です。設計初期工程において、事前に問題の抽出および解決をしていくことで、開発リードタイムの短縮、開発コストの削減を実現しようとするものです。

通常、試作評価、量産試作など後ろの工程になればなるほど、不具合対策にかかる時間や手間は膨大となり、それに応じてコストも増加します。
そこで、このような問題を未然に防止する目的で、3DCADやCAE解析などのIT技術を取り入れた設計開発環境を整える企業が増えています。
3DCADでは、2DCADでは発見しにくかった部品の干渉やクリアランスなど設計の不成立部をPC画面内で容易に発見できます。また、CAE解析では、従来、実験してみなければ分からなかった性能、強度、振動問題などを、コンピュータ上で確認できます。
これら3DCADやCAE解析などの設計ツールを活用すれば、試作品を作る前段階で設計品質を高められます。
そして、現在では上記の設計ツールに加えて、設計者自ら3Dプリンタを使って、フロントローディングを目指す設計スタイルが定着しつつあります。

ポイント

3DCADでは設計の不成立部を容易に発見できる
CAE解析では実験せずに性能、強度、振動問題などを確認できる
3Dプリンタによるフロントローディングの実現
3Dプリンタを導入することで、これまでの開発プロセスに変化を起こせます。3Dプリンタは、特に設計初期工程での活用が有効であるため、フロントローディングが実現しやすくなります。

試作の機会と回数を増やす
フロントローディングを実現させる大きなポイントは、「試作の機会と回数を増やす」ことです。
多くの場合、外部の試作会社に依頼して試作品を製作する関係から、コストや納期などの調整に設計者の時間がとられます。また、評価項目やN数をきちんと計画して、最小限になるようよう依頼しなければなりません。つまり、外部に依頼して試作品を作る開発環境ではどうしても、試作機会や回数が制限されます。
一方、3Dプリンタを導入すれば、設計で気になる部分が発生した場合、すぐに作って検証し、結果を設計に反映できます。このようなスピーディかつスムーズな開発環境が、フロントローディングを実現させるために重要なポイントとなります。
一般的に検証回数に比例して設計品質は向上する傾向にあります。

コミュニケーションを強化する
フロントローディングを実現させる2つ目のポイントは、「関係者とのコミュニケーションを強化する」ことです。
設計の終盤に発生する手戻りの中には、性能面以外に顧客の要求が反映されていないケース、製造側の要件が入っていないケースなど、関係者間のコミュニケーション不足によるものが含まれます。実物の製品ができてはじめて関係者から意見が出されたという経験も多いのではないでしょうか。つまり、コミュニケーション不足による設計手戻りは、意外と多いというのが現状なのです。
このようなコミュニケーション不足を原因とする手戻りを削減するためには、従来のような図面や3DCADの画面をプリントアウトしたものに加えて、3Dプリンタで作成した試作品(実物)を併用することです。これにより、操作性、組み立て性、加工性、質感、大きさなど、より正確で多くの情報を関係者に伝達できます。その結果、関係者から出される意見や要望の数が増えることになり、手戻りをなくせるだけではなく、よりよいアイデアが出され、製品性能の向上や組み立て易さやコストダウンに繋がることでしょう。

それぞれのメリット・デメリットを理解する
もちろん機械加工でも、フロントローディングは実現できます。ただし、機械加工は納期に1週間以上必要とするため、厳しい開発リードタイムの中で試作と検証を繰り返す頻度は限定されます。特に、複雑な形状であれば納期が長くなり、コストも増大します。もし、機械加工で対応するのであれば、右図に示すように、短納期でできる簡単な形状、3Dプリンタで製作できない大きな形状などが適しているといえそうです。
一方、3Dプリンタで製作が難しい大きなサイズの場合でも実製品と同じサイズで製作する必要がない場合があります。デザイン性や形状確認であればミニチュアモデルを作ることで、目的を果たせるケースもあります。
さらに、3Dプリンタでは複数の部品で構成される組み立て製品を一体で造形できるので、設計者のアイディア次第で活用範囲は大きく広がります。

3D CAD 時代の盲点とは?
1980年代ごろまで活用されていたドラフターを使った設計の時代、製図台にある図面は常に開発メンバー同士で見やすい環境にありました。そのため、先輩設計者のアドバイスが受けやすく、設計の修正もその都度できるといったメリットがありました。
しかし、現在はドラフターに代わって、3DCADでの設計が主流となりました。
設計情報が伝えやすくなったと言われる一方で、小さな画面内で拡大縮小しながらのCAD操作では、ベテランの設計者からの指摘を受けにくい環境にあります。図面が完成して印刷されるまでは、2DCADと同様に設計の状況を把握することは困難です。
そこで、ドラフターを使っていた頃のように、「設計を見える化」することでコミュニケーションの強化につながり、手戻りの削減になります。
設計で気になる部分があれば、すぐにプリントして関係者の意見を集約する、デザイン案や検証に使った試作品を社内デスクに置くなどして、社内関係者が手に取って会話が生まれやすい環境を構築することが大切です。

機械加工と3Dプリンタの使い分け
ここまで解説してきたとおり、3Dプリンタと機械加工はそれぞれ異なった特長を有しており、その特長を活かして上手に使い分けることがフロントローディングにつながります。
3Dプリンタは、設計初期から中盤にかけての試作の機会と回数を増加させ、コミュニケーション強化を図ることで手戻りを減らす効果を狙えます。
特に、設計初期においては、製造要件まで考慮されていない図面が多く、きちんと加工ができる試作用図面をわざわざ起こす必要もなく、アイディアをすぐに印刷して確認できます。
機械加工は、設計中盤から後半にかけて、量産品と同等レベルの性能評価が必要とされる場面での活用が好ましいでしょう。もちろんこの段階においても3Dプリンタで製作した試作品で評価できることもあるため、併用するのも良いでしょう。

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